2008.07.31 #48 禁断の実
いい感じに思い浮かんだので、その流れに任せて書いてみました。
下書きとかは(何度も繰り返しますが)全くありません。
きっとサマエルを覚えなかったらこの話も生まれなかったでしょう。
今後如何なるのかなァ。
----------
「如何して****の名前が思い出せないか、知りたい?」
唐突に聞こえた声に振り向いた先に、それは居た。
自分とよく似た、しかし絶対的に違う“何か”を漂わせる青年。
藍色の髪と同じ色をした目を持つ青年の背には、不可思議な島の中で当たり前のように居る
有翼人の象徴である白い1対の翼が目に飛び込んできた。
ぱっと見は天使と呼べる姿。しかし其処に神聖さや荘厳さは無く
人を食ったような笑みが妙に癇に障る。自分も同じような事をするからか。
「興味はあるけど、他人に教えてもらうのもねー」
自分のよりはやや長い髪を揺らし、青年は返答を聞いてからりと笑う。
さも“予想通りの言葉だ”と言いたげの態度。
白鎧に包んだ青年の身体は、右腕だけが不自然に薄い。
何処からか吹く風に揺られた其処は、あっさりと宙に靡いた。
「とか何とか言っちゃって。楽してのんびり、がお前さんの常だろうに」
まるで鏡だ。自分自身と会話をしているような錯覚に陥る。
初めて見た青年は自分の何を知っている?
何故誰にも話していない****が出てくる?
そんな怪訝な表情を見、またしても青年は笑い声を上げた。
「でもさ、思い出す事が本当にイイ事なのかなァ」
「……」
「思い出したくないから忘れた。だったら、きっとお前さんにとって嫌な思い出だったんだろう。
それを“名前が知りたい”が為に思い出すのも如何かと思ってね。出てきちゃった」
「出てきた、って。だったら戻ってよ。別に呼んでないし」
「それは無理な相談なんだよね、これが」
「如何してさ」
「だって俺は、お前さんだもん」
「……はぁ?」
手前勝手な理屈で出てきた青年は、突拍子も無いことを口走った。
これが冗談の類なら言葉や態度で判るようなものだが、残念ながらそれらの素振りは見られない。
確かに顔立ちは似ていると自分でも思う。性格もまあ…嬉しくは無いが近しいものだろう。
でも自分には背中に翼は生えていないし、あんな重苦しい白鎧を着た覚えも無い。
それでも目の前に居る藍色の髪と瞳を持つ青年は、じっと自分を見つめてきた。不敵な笑みを浮かべて。
「俺はお前さ、鴉丸蒼夜。厳密にはイコールにはならないけれど、確かに俺とお前は同一。
俺が俺のことを知らない、なんて馬鹿げた話もあるまいよ」
右肩から先が不自然に薄っぺらい、自称“鴉丸蒼夜”と言う青年は、理解が追いつかない自分を尻目に
好き勝手に喋り続けていたが
「だから****の名前を知ってると? 冗談じゃあない」
「じゃあ」
青年の声がピタリと止まった。
口元だけは相変わらず笑い続けているが、目だけは鋭い顔付き。
ああ自分もあんな顔をする事があった気がする、と一転して静かになった青年を見る。
「教えてやるよ。****の名前も、****が辿った結末も」
先程は知らない方が幸せだと自身で言った青年。今度は教えてやると逆の事を告げてきた。
意味が判らない。そもそも意味があるのだろうか。
ただ自分を混乱させて、その様を面白がってるだけじゃないのか。
「ふふ、嫌なモンでしょ。言葉で弄される気分はさ」
小憎らしいまでの顔で片目を瞑り、ウィンクを飛ばす青年の顔を忌々しげに自分は見ていた。
本当に、知る事が出来るのか?
本当に、思い出せるのか? ****の事を?
「封じられた記憶を知りたいのなら、これを食べるといい。
嫌ならそのままUターンして戻ればいい。 さ、如何する?」
何時の間にか自称“鴉丸蒼夜”と名乗る青年の右手には、一粒のブドウがあった。
青年は自然な動作で自分へとブドウを差し出してくる。
「一つ、聞いていい?」
「どうぞ」
「お前は誰だ?」
ニ、と藍色の髪を持つ青年の口唇が吊り上がった。
-----------------------------------------------------
「そうやん、新しい技を覚えたんだってね」
「どんな名前なんですか?」
妖精と黒騎士が興味津々と言った風に、自分へと質問をしてくる。
「……エル」
「?」
「……サマエル、だよ。どんな“力”だろうー」
自分の口の中で、ブドウの残香が残っていた。
「如何して****の名前が思い出せないか、知りたい?」
唐突に聞こえた声に振り向いた先に、それは居た。
自分とよく似た、しかし絶対的に違う“何か”を漂わせる青年。
藍色の髪と同じ色をした目を持つ青年の背には、不可思議な島の中で当たり前のように居る
有翼人の象徴である白い1対の翼が目に飛び込んできた。
ぱっと見は天使と呼べる姿。しかし其処に神聖さや荘厳さは無く
人を食ったような笑みが妙に癇に障る。自分も同じような事をするからか。
「興味はあるけど、他人に教えてもらうのもねー」
自分のよりはやや長い髪を揺らし、青年は返答を聞いてからりと笑う。
さも“予想通りの言葉だ”と言いたげの態度。
白鎧に包んだ青年の身体は、右腕だけが不自然に薄い。
何処からか吹く風に揺られた其処は、あっさりと宙に靡いた。
「とか何とか言っちゃって。楽してのんびり、がお前さんの常だろうに」
まるで鏡だ。自分自身と会話をしているような錯覚に陥る。
初めて見た青年は自分の何を知っている?
何故誰にも話していない****が出てくる?
そんな怪訝な表情を見、またしても青年は笑い声を上げた。
「でもさ、思い出す事が本当にイイ事なのかなァ」
「……」
「思い出したくないから忘れた。だったら、きっとお前さんにとって嫌な思い出だったんだろう。
それを“名前が知りたい”が為に思い出すのも如何かと思ってね。出てきちゃった」
「出てきた、って。だったら戻ってよ。別に呼んでないし」
「それは無理な相談なんだよね、これが」
「如何してさ」
「だって俺は、お前さんだもん」
「……はぁ?」
手前勝手な理屈で出てきた青年は、突拍子も無いことを口走った。
これが冗談の類なら言葉や態度で判るようなものだが、残念ながらそれらの素振りは見られない。
確かに顔立ちは似ていると自分でも思う。性格もまあ…嬉しくは無いが近しいものだろう。
でも自分には背中に翼は生えていないし、あんな重苦しい白鎧を着た覚えも無い。
それでも目の前に居る藍色の髪と瞳を持つ青年は、じっと自分を見つめてきた。不敵な笑みを浮かべて。
「俺はお前さ、鴉丸蒼夜。厳密にはイコールにはならないけれど、確かに俺とお前は同一。
俺が俺のことを知らない、なんて馬鹿げた話もあるまいよ」
右肩から先が不自然に薄っぺらい、自称“鴉丸蒼夜”と言う青年は、理解が追いつかない自分を尻目に
好き勝手に喋り続けていたが
「だから****の名前を知ってると? 冗談じゃあない」
「じゃあ」
青年の声がピタリと止まった。
口元だけは相変わらず笑い続けているが、目だけは鋭い顔付き。
ああ自分もあんな顔をする事があった気がする、と一転して静かになった青年を見る。
「教えてやるよ。****の名前も、****が辿った結末も」
先程は知らない方が幸せだと自身で言った青年。今度は教えてやると逆の事を告げてきた。
意味が判らない。そもそも意味があるのだろうか。
ただ自分を混乱させて、その様を面白がってるだけじゃないのか。
「ふふ、嫌なモンでしょ。言葉で弄される気分はさ」
小憎らしいまでの顔で片目を瞑り、ウィンクを飛ばす青年の顔を忌々しげに自分は見ていた。
本当に、知る事が出来るのか?
本当に、思い出せるのか? ****の事を?
「封じられた記憶を知りたいのなら、これを食べるといい。
嫌ならそのままUターンして戻ればいい。 さ、如何する?」
何時の間にか自称“鴉丸蒼夜”と名乗る青年の右手には、一粒のブドウがあった。
青年は自然な動作で自分へとブドウを差し出してくる。
「一つ、聞いていい?」
「どうぞ」
「お前は誰だ?」
ニ、と藍色の髪を持つ青年の口唇が吊り上がった。
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「そうやん、新しい技を覚えたんだってね」
「どんな名前なんですか?」
妖精と黒騎士が興味津々と言った風に、自分へと質問をしてくる。
「……エル」
「?」
「……サマエル、だよ。どんな“力”だろうー」
自分の口の中で、ブドウの残香が残っていた。
2008.07.18 47日目雑感
いい加減、自分はペッター向きの能力値なんだと自覚するべきですかね。
御機嫌よう、47日目雑感です。
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★狙ってた初習得
幻術30+美学42技がオープン。
[3691] サマエル 300 0 / 3 - - -
幻術技だけあって、消費SPが300超えも当たり前になってきました。
非接触・対象選択は不可。さてどんな技でしょうか。楽しみです。
余談ですが、蒼夜の前世というか生まれ変わりというか
微妙に縁のある名前がサマエルだったりするので、個人的にはちょっと嬉しかったりします。
サマエルについてはWikiをどうぞ。
あー、偽島のオマケでそいつを出してもいいなァ。
イメージ優先だと弓+風霊になるけど。でも多分出しません。
★魔石強化
>藤 を消費して カエルスの星灯 を強化しました。( 288 → 416 効果A不変)
魔石強化Lvは19。藤の強さは17。今回初めて強化しました。
凄いなァ、128も増えたよ!
付加Lv上げ? はっはっは、そういうのはまさるさんに丸投げだ。
★付加
やっと効果が出ました。あとは痺れる触手のみ。
石化なくちばしを魔石に付加→麻痺Lv3/付加Lv50で成功
痺れる触手を武器に付加→失敗/付加Lv50で失敗
★気になる上位技能
その名も宝石作製。今から取りに行って、果たして使い物になるのかどうか。
★今後について語る(スルー推奨)
と言うのも、最初は(今もですが)ペッターをやる気はまっっっっったくありませんでした。
初期能力割り振りも、初期技能も全てキャライメージからチョイスしたものでして
ペッターになるつもりも頭からありませんでした。
しかしそろそろ50日目を迎えるに辺り、キャラを見直してみると
如何見てもペッターっぽく見え、うーんと頭を捻る事に。
いい加減、諦めてペッターとして頑張るか……。
でもそうすると、敏捷器用型のみりにゃに物凄く悪影響を与えそうで怖かったり。
今後の案としては
1)
祈祷・活力付与を習得し(Lvを上げ)
ペッターまたは支援回復役として方向チェンジ
2)
ペットは捨て。
今から敏捷を死ぬ気で上げて、幻舞・舞術を習得する。
(幻舞とかはキャライメージで習得)
3)
最初の予定通り幻術使いのSP枯渇を頑張る。
(ただ、効果的な上位技能が全く無いのがネック)
前回捨てると書いた活力付与は残します。早く命術20になりたいなぁ。
2008.07.12 46日目雑感
暑いです。暑すぎます。
早くも夏バテ気味です。御機嫌よう。
これから憂鬱な季節が始まります。
そんな時は様々なイベントに参加して、ぱーっと気分転換したいものですね。
時間があれば!の話になりますが……。
:今更感が漂うこの夏のイベント紹介:
・偽島メルヒェン(47回開催)
・死亡フラグ(48回開催)
・Summer Vacation(レンタル宣言コミュ主催/詳細はコミュページへ)
・星祭の夜(お絵かきコミュ主催/50回開催)
死亡フラグなら参加できそうかな?
続きは恒例、更新雑感を畳んでます。
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今回のお品書き(前回のも混ざってます)
・ラレスううううううう!
・美学技は面白い
・キノコからげそ?
・上位技能修正結果
・幻術30+美学42にリーチ
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・ラレスについて(剣25+吹矢25)
攻略サイトを覗いてみると、ラレスの効果はこんな感じです。
自分以外:WAIT増加&自身WAIT減少+(凍結+麻痺+混乱+祝福+?)軽減
⇒HP減少(異常深度依存)
自分:SP80回復
で、今回の練習試合で使用されていたのですが、これ反射も消去するのか…。
(若しかしたら反撃三式で強化されたから? そんな事は無いか。うーむ)
確認した限りでは、祝福(深度1)・魅了(深度1)・反射(深度4)を綺麗に消してくれました。
深度1〜2を消すなら判るんですが、深度4も消してしまうとは。
HP減少(異常深度依存)とありますが、深度4を消したから2000以上HPが減ったのかな?
活力Lv3で増やしたHPがすっぱり消えました。
練習試合の結果?
反射が消えてサンダーボルトの集中攻撃を受けて落ちました。
次回の調整に
・[調整]隊列による補正
・[調整]追加行動の発生回数
・[調整]対象指定時の技の弱化量
・[調整]属性耐性によるダメージ軽減量
とあるので、無属性>属性 の式がどれだけ変わるのか気になるところ。
素直に属性装飾を持つ気は今のところありません。対人メインじゃないしなぁ。
・美学技は面白い
美学と言えば高級装飾の前提のイメージが強いですが、中々どうして技も面白いですよ。
美学を取った理由と言えば、キャライメージの為しかなかったのですが
気付けば未開拓技の為にゴリゴリLvを上げている始末です。
・美は全てを支配する(敵全体SPダメージ+混乱×3 AE:美学特性&耐性UP)
・キュベレ(味方全体HP回復+MDF上昇+守護付加 AE:味方全体反射(1/使用者は2)付与)
・ブラッディロード((単体魔法攻撃⇒自分のHP回復)×5)
・ロケット砲(単体魔法攻撃、弱者追尾 *係数高め)
・目からビーム(ランダム魔法攻撃⇒魅了(1)×16? 回避停止)
・グレイトピンプル(敵単体魅力奪取(50?100?)+命鎖Lv2付加 自分のWAIT減少)
・スークシュマサリラ(自分技消費SP40低下+魅了(10)防御+敵全体SPダメージ×3)
元々はキュベレが取れればいいな程度だった美学技ですが
こうして(自分が使える技を)見ると、嫌がらせも出来るし、単純に攻撃役にもなれるし
回復支援もそれなりに出来るぜ!な補助技能だと思うのですがどうでしょう。
美学が高いと相手を魅了しやすくなりますしね。
・キノコ=げそ?
現在B1に居ますが、赤ベレー毒茸がげそを落とすのですが
何故キノコがげそを落とすんだろうと、みりにゃのメッセージで気付きました(遅いよ)
偽島の生物は不思議に満ちています。
・上位技能修正結果は如何でしたか?
Lv10事に特殊技を覚えない上位技能が上方修正されたようですが、私といえば
魔石強化のSP上昇ぐらいしか実感が沸きません。
描画魔術の修正効果はどうなったんだろう……。
暫く魅惑Lvは上げないので、この状態で2Fに移動し
今までより動物をペットにしやすくなったのか見てみることにしてみましょう。
相手を魅了するに関しては……うーん。魅了特化の人に会わないと何とも言えず。
以前マイトPLに「魅了補正ごてごてだな!」と言われた事があります。
そう言えば確かに(美学+魅惑+描画魔術 舞踊も?)
ああ、だから必須能力・技能Lvにあまり関係なく、動物もペットにしやすいのかな?
・幻術+美学の技開拓に突っ走る
幻術持ちで美学を上げてる人が(あまり)居ない気がしたのが、幻術25+美学35技を
初習得した時でしたかね。
目からビームの初習得はなりませんでしたが、スークシュマサリラを取れたのなら
ひょっとして幻術30+美学42も狙えるんじゃ?と簡単に考えた為です。
(初習得されたか調べてません)
魅惑30+美学42も或いは……と思ったのですが、こちらは上げてる人が多そうな予感。
今から訓練して間に合うかなァ。
・おまけ 今後の予定
魔石強化は20ぐらいまで上げてみよう
効果装着・活力付与は削除候補
付加はのんびり上げていく
舞踊を上げるか(幻舞の為)魅惑を上げるか(新規技開拓の為)
命術Lv20を目指して熟練度稼ぎ
今後も支援型幻術夢幻使いとしてやっていこう。
2008.07.04 #46 一つの可能性
自分の中ではそろそろ決着を付けたいんだけど
巧い案が出てこなくて困ったなー の巻。
下書き?
プロット?
そんなものはありません。
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命は燃え尽きると、新たな命となって蘇る。
同じ姿形で生まれるのは極々稀で、その殆どは以前の記憶を全て無くし
全くのゼロの状態で新たな命を歩む事になる。
命は連綿と続くメビウスの輪。
生まれては死に、死んでは生まれ変わる。そうして、この世界は成り立つ。
ならば、この理(ことわり)から外れた命は如何なるのだろう?
例えば、新たな命として生まれ変わる事が出来ないもの
例えば、新たな命として生まれ変わるのを頑なに拒否するもの
例えば、新たな命として生まれ変わる道を踏み外してしまったもの
それらは東方の国で霊と呼ばれる。
死んだ筈の命が未だに留まる不気味さを総じて恐れ、
また、新たな命に生まれ変われぬ不憫さを嘆く者も中には居たそうだ。
東方の国では、言葉は力になると言われている。
強い思いを込めて声に出した文字は、文字の意味以上の強さを秘めて表に出てくる。
呪いの類も「雨が降って欲しい」「豊作になって欲しい」と言った
人々の小さな言葉が集まり、奇跡を起こす要因となっていた。
だから、我等が生まれたのだ。
言葉を束ね、思いを強き力と変換する力を持つ我等が。
驕るなかれ。我等は人々の力あってこその存在。
周囲の声なければ、我等は力を発揮できぬ事を忘れるなかれ。
「……」
見晴らしのいい平原で大の字にな-斜-って横になっている青年が居る。
地下にも関わらず朝夕があり風雨がある不思議な空間での生活も随分慣れ、ここらなら一人行動をしても
大丈夫だろうと判断。暫しPTから離れ空(この場合は天井か)を見上げていた。
言葉が力になるのなら、????……いや、****を何とかする事が出来るのだろうか、と
ぼんやりと考えている。
****は言った。「約束を守って欲しい」と。
だけど、青年自身は如何した事か約束事が全く思い出せない。
言葉を束ね、力と成す事が出来るのなら、ひょっとしたら約束を思い出すことが出来るのでは?
幼い頃に探検気分で古い蔵に入り、そこで見つけた一冊のボロボロの本。
当時子供だった青年にとって、漢字だらけの、見たことの無い文字が並ぶそれは全く読解できず
しかし何処か忘れる事の出来ない不思議な魅力を持った本を、こっそりと自室に持ち帰ったあの日。
年を重ねた青年に知恵と知識が備わり、見たことの無い文字の意味を知る事が出来たあの日。
常識の中から大分外れた奇怪な文章は、退屈だった人生を少しだけ変えてくれた。
とある企業への参加。名を偽り、姿を偽る日々。そして、この島。
ボロボロの本から始まった非現実は、今、青年の現実として目に映る。
だから、或いは。
命は巡る。東方の言葉でそれは『輪廻転生』と呼ばれている。
如何な命であろうとこの定めからは逃れられず。
しかし、この輪より外れた命も数知れず。
輪から外れた魂は一箇所に集められ、永遠の安息を得れぬものもあると言う。
この世とあの世を繋ぐ鳥。火の鳥。
寿命が来ると自らの身を燃やし、灰となり、灰の中から生まれ変わる永遠の鳥。
命の巡りを司る鳥。此処で思い出すのは燃えるような色を持つ男。いや、今は女か。
先日、青年を気の置ける間柄と告げた姿は暫く見ない。
あちらも厄介な問題を抱えている事は、他所から見ててもよく判る。
知り合いの火の鳥は現世と別の世界との遣り取りで忙しそうだ。
余計な事を持ち込んで時間を浪費させてはいけない。男の時間は男のものである。
脳内で外部からの助けに×印をつけ、長く息を吐いた。
何時もは五月蝿く青年の周囲を飛び回るてるてる坊主の姿は、珍しい事に此処に居ない。
数日前「少し出かけてくる」と告げたそれは、まだ野暮用を終わらせてないようだ。
「言葉が力になるってならさ
アイツの顔と名前を思い出す手助けぐらいしてくれってんだよ」
シィズが思いを寄せていた****は死に、今は霊として青年の周囲に不定期に顔を出している。
青年に姿を見せるようになった霊は、言葉を力と成すことの出来る烏丸のを求めて?
そんなトンデモ力に頼らずをえない今の状況に苦笑すると、青年は勢いをつけて立ち上がる。
今更だ。トンデモ世界にトンデモ力は。
自分も、周りも皆当たり前のように使ってるのだから。
命は燃え尽きると、新たな命となって蘇る。
同じ姿形で生まれるのは極々稀で、その殆どは以前の記憶を全て無くし
全くのゼロの状態で新たな命を歩む事になる。
命は連綿と続くメビウスの輪。
生まれては死に、死んでは生まれ変わる。そうして、この世界は成り立つ。
ならば、この理(ことわり)から外れた命は如何なるのだろう?
例えば、新たな命として生まれ変わる事が出来ないもの
例えば、新たな命として生まれ変わるのを頑なに拒否するもの
例えば、新たな命として生まれ変わる道を踏み外してしまったもの
それらは東方の国で霊と呼ばれる。
死んだ筈の命が未だに留まる不気味さを総じて恐れ、
また、新たな命に生まれ変われぬ不憫さを嘆く者も中には居たそうだ。
東方の国では、言葉は力になると言われている。
強い思いを込めて声に出した文字は、文字の意味以上の強さを秘めて表に出てくる。
呪いの類も「雨が降って欲しい」「豊作になって欲しい」と言った
人々の小さな言葉が集まり、奇跡を起こす要因となっていた。
だから、我等が生まれたのだ。
言葉を束ね、思いを強き力と変換する力を持つ我等が。
驕るなかれ。我等は人々の力あってこその存在。
周囲の声なければ、我等は力を発揮できぬ事を忘れるなかれ。
「……」
見晴らしのいい平原で大の字にな-斜-って横になっている青年が居る。
地下にも関わらず朝夕があり風雨がある不思議な空間での生活も随分慣れ、ここらなら一人行動をしても
大丈夫だろうと判断。暫しPTから離れ空(この場合は天井か)を見上げていた。
言葉が力になるのなら、????……いや、****を何とかする事が出来るのだろうか、と
ぼんやりと考えている。
****は言った。「約束を守って欲しい」と。
だけど、青年自身は如何した事か約束事が全く思い出せない。
言葉を束ね、力と成す事が出来るのなら、ひょっとしたら約束を思い出すことが出来るのでは?
幼い頃に探検気分で古い蔵に入り、そこで見つけた一冊のボロボロの本。
当時子供だった青年にとって、漢字だらけの、見たことの無い文字が並ぶそれは全く読解できず
しかし何処か忘れる事の出来ない不思議な魅力を持った本を、こっそりと自室に持ち帰ったあの日。
年を重ねた青年に知恵と知識が備わり、見たことの無い文字の意味を知る事が出来たあの日。
常識の中から大分外れた奇怪な文章は、退屈だった人生を少しだけ変えてくれた。
とある企業への参加。名を偽り、姿を偽る日々。そして、この島。
ボロボロの本から始まった非現実は、今、青年の現実として目に映る。
だから、或いは。
命は巡る。東方の言葉でそれは『輪廻転生』と呼ばれている。
如何な命であろうとこの定めからは逃れられず。
しかし、この輪より外れた命も数知れず。
輪から外れた魂は一箇所に集められ、永遠の安息を得れぬものもあると言う。
この世とあの世を繋ぐ鳥。火の鳥。
寿命が来ると自らの身を燃やし、灰となり、灰の中から生まれ変わる永遠の鳥。
命の巡りを司る鳥。此処で思い出すのは燃えるような色を持つ男。いや、今は女か。
先日、青年を気の置ける間柄と告げた姿は暫く見ない。
あちらも厄介な問題を抱えている事は、他所から見ててもよく判る。
知り合いの火の鳥は現世と別の世界との遣り取りで忙しそうだ。
余計な事を持ち込んで時間を浪費させてはいけない。男の時間は男のものである。
脳内で外部からの助けに×印をつけ、長く息を吐いた。
何時もは五月蝿く青年の周囲を飛び回るてるてる坊主の姿は、珍しい事に此処に居ない。
数日前「少し出かけてくる」と告げたそれは、まだ野暮用を終わらせてないようだ。
「言葉が力になるってならさ
アイツの顔と名前を思い出す手助けぐらいしてくれってんだよ」
シィズが思いを寄せていた****は死に、今は霊として青年の周囲に不定期に顔を出している。
青年に姿を見せるようになった霊は、言葉を力と成すことの出来る烏丸のを求めて?
そんなトンデモ力に頼らずをえない今の状況に苦笑すると、青年は勢いをつけて立ち上がる。
今更だ。トンデモ世界にトンデモ力は。
自分も、周りも皆当たり前のように使ってるのだから。